農業で最もよく使う農業機械系はやっぱりトラクターですね。
耕運代かき畦塗りなどなど様々な作業に使えてとても便利なトラクターですが、
長期間放置してしまったり、冬場メンテナンスをせずに 格納してしまっていたりすると
次の年の春、エンジンがかからないということが起こります。
ここでは家庭でもできる、 トラクターのエンジンがかからない時の対処法についてまとめてみます。
1、すべてのレバーやスイッチが、ニュートラルになっているか
トラクターの中には 安全のため エンジン始動時に 全てのレバー類が中立一かっこニュートラルになっていないとエンジンが始動できないものもあります。
比較的新しい機種では ニュートラルポジション になっていないと エンジンキーを回した時に
どのレバーを戻す 元に戻せば良いのか 運転席の表示パネルに表示されることもあります。
しかし少し前の世代の機種だと そういった表示が出ないものも数多くあります。
前後進のレバーや 速度を変える主変速副変速のレバー、 作業機回転軸 PTO の SWITCH やレバーがニュートラルになっているかを確認しましょう。
2、トラクターのヒューズが 切断されていないか確認する
トラクターについている ヒューズが切断されていないか確認してください。
一般的に運転席の近くや 前方ボンネットの中に ヒューズボックス があるはずです
この中でスターターセル 関連のヒューズが切れていないかチェックして下さい。
また大型のトラクターになればなるほど ヒューズボックスとは別に バッテリーからの電力を直接モーターなどに供給するための ダイレクトコートが 用意されている場合があります。バッテリーの取り付け場所などに 小さな四角い箱が ついており その中にヒューズが入っています。 こちらも切れていないか確認してください。
3、 燃料コックが正しく 開いているか
農業機械用冬場など長期使用しない時に保管する場合は燃料の酸化・劣化を防ぐために 燃料コックを閉めておく場合があります。
特にミニトラクター・管理機や 除雪機など、ガソリンを使っている農機具は燃料コックを閉めておかないと、すぐに キャブレターが閉まってしまうので、農協さんや農機具やさんも、コックの閉め忘れがないようにしてください、と指導されていると思います。
シーズン後に締めたまま、開け忘れてないか確認してください。
4 バッテリーが十分充電されているか
トラクターのエンジンがかからない場合に一番よくある原因かバッテリー不足によるものです。
トラクターのエンジンキースイッチをオンにするとメーターパネルは点灯するけれども、
「ギュー・ギュー」という鈍い音がして エンジンがかからない場合、
これはバッテリー不足で、エンジンを回転させるセルモーターが回らない可能性が高いです。
その場合は家庭用のカーバッテリー充電器などを使い充電してから使うか、
急ぐ場合は、別のバッテリーを借りてきて、ブースターケーブルで接続してエンジンを始動します。
バッテリーの充電方法
一般的なトラクターであれば、トラクターの 前方ボンネットの中に バッテリーが入っていると思うので
マイナスプラスの順で バッテリーのコードを外します そして バッテリーの充電器のコードをつなぎ 充電を開始します。
だいたい半日から一日くらい 充電すると 満タンに なります。
バッテリーを充電しても 症状が変わらない場合は バッテリーそのものが 劣化して 充電しても 電力が蓄えられなくなっている可能性があります。
その場合は バッテリーに書いてある 記号と同じものを 農機具屋さんや ホームセンターで 購入して交換します。
バッテリーを 交換する時の型式の見方
バッテリーには 電池の容量と 接続端子の 型式(85D36Rなど)が記載されています
85D36Rの場合は、電池の容量が左側の数字(85)、接続端子の タイプが右側(D36R)になります
容量は これまでついていたものと 同じか それよりも多少多いものでも構いませんが、端子の型式は 同じものでないとトラクターの取り付け金具と形が合わないので 注意しましょう。
また 激安ショップなどで売られている 再生バッテリーや、極端に価格が安いバッテリーなどは、見た目が同じでも 電気を放出するパワーが足りず、
すぐに使い物にならなかったり 、 トラクターの制御ユニットを トラブルを発生させる原因になることもあります。
トラクターやコンバインなどの 大型のディーゼルエンジンを搭載した農業機械には、できるだけ品質の高いバッテリーを使った方が無難です。
トラクターにブースターケーブルを使ってエンジンをかける方法
別のバッテリーをブースターケーブルで接続する場合は、下記の手順で行います。
- トラクター側のバッテリーのマイナスコードを外す
- 先にプラス同士(赤ケーブル)をブースターケーブルでつなぐ
- 次にマイナス同士(黒ケーブル)をブースターケーブルでつなぐ
5、バッテリー端子に不純物がついていないか確認する
トラクターなどの 屋外のチリやホコリが多い場所で 使う 農業機械は
干支に不純物がついた状態で電気の通りが悪くなることがあります。
特にバッテリーのマイナス端子に接続されている 取付金具と、本体についているアース端子は 緑青などの 不純物によって 電気の 通りを悪くする場合があります
バッテリーを十分電気が蓄えられているものをに交換しても セルモーターの回転が弱い場合は、これらの接続端子を ヤスリなどで軽く磨き、不純物をよく落として 電気の通りを良くしてください。マイナスの太いボディアースコードは、バッテリ側だけでなく、本体側もよく磨きます。
ここまでバッテリー周りを点検すれば、多くの場合はキースイッチをオンにすればセルモーターが勢いよく回転するはずです。
それでもなお、セルモーターが全く回転しない場合は 、配線回路のトラブルの可能性が高いので、 農機具屋さんに 修理の依頼が必要になります。
逆に、ここでセルモーターが勢いよく回転しているのにも関わらず、 いつまでたっても エンジンがかからない場合は 別の原因を疑う必要があります
6、エンジンストップレバーが開放状態になっていないか
古いトラクターでよくある、エンジンストップを レバーを引っ張って止めるタイプのトラクター。このエンジン停止レバーが いきっぱなしになっていて エンジンがかからなくなる場合があります。
中古の古いトラクターなどは ストップレバーが元に 踊り 戻っていることを確認してください
7、燃料フィルター、タンクの確認(燃料に水が混入していないか)
燃料フィルターカップの中が汚れていた理、カップの中には水と軽油が混じった状態の場合は、燃料が原因の場合もあります。
特に、燃料を貯めておく 軽油タンクが古くなった場合や、軽油を持ち運ぶ ポリタンクを水と兼用にしている場合は注意が必要です。
もし、燃料系統に水が混入した場合は 燃料タンク・燃料ホースを全て分解し、一旦全て抜き出す必要があります。
自分で作業するのは少々大変なので、専門の農業機械店に依頼することをお勧めします。
また最近のコモンレールシステムを搭載した 電子制御エンジンでは 水が燃料ノズルの中に混入してしまうと 大掛かりな修理が必要となってしまい大変なのでそもそも燃料タンクに燃料を注ぐ時に水が混入しないよう 貯蔵タンクの定期的な 水抜きや 燃料用のポリタンクと水用のポリタンクを分けるなどの 準備を行うことも大切です。
まとめ
以上の項目でトラクターや農業機械のエンジンを見てきました。
農業機械は、過酷な環境で使う産業機械のため、メンテナンスが大切です。
日頃からメンテナンスを行い、使いたいときにトラブルが無いようにしたいですね。